こんにちは。心理カウンセラーのたかはるです。
今回は、他人の辛さが「流れ込んでくる」あなたへ。人の痛みを自分のことのように感じる繊細な心の守り方についてお話しします。
こんなことを感じたことありませんか?
✅ドラマやニュースで、誰か辛い状況なのを見ると、涙が出てしまう。
✅職場の同僚が上司に叱られているのを見ると、自分が叱られているわけではないのに、胸がソワソワして、仕事が手につかなくなる。
✅子どもの寂しそうな姿を見ると、自分の感情まで深く沈み込んでしまい、立ち直るのに時間がかかる。
✅人混みで疲れてたり、イライラしている人がいると、その場の空気が重く感じられ、余計に疲れを感じてしまう。
✅自分は何も悪くないのに、他人の「辛さ」や「苦しさ」が、まるで自分自身のことのように流れ込んできて、胸が辛くなる。
当てはまるケースが多いほど、あなたはとても優しく、誰かの痛みを放っておけない繊細な心を持っているからこそ、そうした悩みを抱えてしまうのだと思います。
しかし、その優しい心が消耗し、あなた自身が倒れてしまっては辛いですよね。
この繊細な心を、どのように守ればいいのでしょうか。
他人が辛そうなのを見ると、自分までツラく感じてしまいやすいのはなぜか
あなたが他人の辛さを「自分のツラさ」として感じてしまうのは、HSPの持つ特性が大きく関係しています。
HSPの脳の特性として、五感で受け取る情報(音、光、におい)や、感情といった目に見えない刺激を「深く、丁寧に」処理します。
人混みでたくさんの情報が流れ込んでくるのと同じように、目の前の人の感情も、一つの大きな「刺激」として受け取ってしまいます。
さらに共感力が非常に高いのも特徴です。私たちは、誰かの感情を察する時、「ミラーニューロン」という脳の神経細胞を働かせます。HSPの方は、この働きがとても活発なため、まるでその人の感情が自分のことであるかのように、深く感じ取ってしまいます。
この状態が続くと、「共感疲労」という心の疲れが溜まり、不安感や自己肯定感の低下を引き起こしてしまいます。
自分ごとにツラいと感じることから心を守るための工夫
では、この素晴らしい共感力を保ちながらも、自分自身を守るためにはどうすれば良いのでしょうか。
それはズバリ、「心のバリア」を築くことです。これは、自分の心と相手の心を区別するための、心理学的なケアの手法です。
ここでは、日常で簡単にできる「心のバリア」を築くための工夫を二つご紹介します。
1. 心の中に「壁とドア」のイメージを持つ
まずは、他人の感情と自分の感情を区別する「心の壁とドア」を意識しましょう。
他人の辛さや不安を感じた時、「これはあの人の感情だ」「私は今、あの人の感情を覗いているだけだ」と心の中でつぶやいてみてください。
心の中の壁とドアとは、相手を突き放すことではありません。相手の感情を尊重しつつ、自分の敷地を守るための安心できるラインを引くイメージのことです。心理学では、健全な境界線を引くことが、自己肯定感を育み、人間関係を安定させる基本だと考えられています。
2. 「感情移入」から「共感」へとイメージを切り替える
他人の辛さに心が動かされた時、あなたは無意識に「その人と同じように落ち込んでしまう(感情移入)」を選びがちです。
これを、「隣でそっと支援する(共感)」に切り替えましょう。
感情移入: 「私も辛い。一緒に沈まなくちゃ!」
共感: 「あなたは辛いんだね。私はここにいるよ。手伝えることがあったら言ってね」
つまり、相手の感情の「中」に入るのではなく、相手の感情の「隣」にそっと寄り添うイメージを持ちます。
相手と自分を同一視せず、「支援する」立場を保つこの意識は、心理的な距離を適切に保つ上で非常に有効です。
まとめ
あなたが他人の辛さを自分のことのように感じるのは、HSP特有の高い共感力と、情報の深い処理によるものです。これはあなたが優しい証拠ですが、他人の辛さが「流れ込んでくる」ような状態が続くと、疲労につながり、心を消耗させてしまいます。
自分までツラいと感じることを減らすための工夫として、まず心の中に「壁とドア」のイメージを持ち、他人の感情と自分の感情の間に「境界線」を引くことを意識しましょう。
次に、相手に感情移入するのではなく、共感に切り替えることで、心理的な距離を適切に保つことができます。
できるところから、少しずつ試してみてください。
あなたの心が、少しでも安らぎの時間を取り戻せることを、心から願っています。
